きんけけ宅録楽部(楽屋)

趣味のギター&打ち込みの楽屋裏的解説。

夜明けのビーナス/T-SQUARE

演奏動画

アルバム"夏の惑星"から、同アルバムの疾走感あふれるオープニングナンバー、「夜明けのビーナス」のバッキングトラックです。動画はバッキング、イントロや間奏のハモリ含め、すべてのエレキギターパートを除いたバッキングトラックになっています。

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構成・コード進行・解説

Key=C/Eb, Tempo=180.5

Intro1→Intro2→Ax2→B→Cx2
Interlude1→Interlude2→D→E→F
Ax2→B→Cx4→Ending1x2→Ending2xN(Fade Out)

Intro1
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |FM7 Dm7   |Dm7 G7        |
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |BbM7 Am7 |Ab7  G7sus4 |
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |FM7 Dm7   |Dm7 G7        |
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |BbM7 Am7 |%                  |

Intro2
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |FM7 Dm7   |FM7/G                  |
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |BbM7 Am7 |Ab7(b13) G7sus4 |
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |FM7 Dm7   |FM7/G                  |
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |BbM7 Am7 |G7sus4                 |

A
 |C   |Dm7/C |F/C |C          |
 |Bb |Am7     |ab  |G7sus4 |

B
 |Cm7  |%        |Eb/F    |F              |
 |Fm    |Bb7     |Db/Eb |Eb Bb7/D |
 |Cm7  |Ab/Bb |EbM7 |Abm7       |% |

C
 |Eb     |Eb/G |AbM7 |Fm7 Fm7/Bb |
 |Cm7  |Eb/G |AbM7 |Fm7 Fm7/Bb |

Interlude1, Ending1
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |FM7 Dm7   |Dm7 G7                |
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |BbM7 Am7 |Ab7(b13) G7sus4 |

Interlude2, Ending2
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |FM7 Dm7   |FM7/G                  |
 |F/C G/C |Am7/C FM7/C Dm7/C |BbM7 Am7 |Ab7(b13) G7sus4 |
 |CM7 Bm7 B/C# |

D(Guitar Solo)
 |C/D  |%     |GM7 |%              |
 |C/D  |%     |Em7  |%              |
 |FM7 |Em7 |EbM7 |Dm7 Em7|
 |FM7 |Em7 |G/A    |%             |
 
E(EWI Solo)
 |C/D  |%     |GM7  |%             |
 |C/D  |%     |Em7   |%             |
 |FM7 |Em7 |EbM7 |Dm7 Em7|
 |FM7 |Em7 |EbM7 |Dm7        |

F
 |AbM7 Gm7|D/F# F |BM7 Am7|F/G |

 

全体の構成はイントロ→Aメロ→Bメロ→サビを2回繰り返す間にソロパートが入るというオーソドックスなもの。

コード進行いってみましょう。イントロはリズム違いで2パターンあり、一部コード進行が違う個所もありますが基本的には同じもの。4小節が一かたまりになっていて、前半2小節は細かく見るとオンコードがたくさん出てきていますが、これはキーボードがメロディも兼ねたコードの塊を動かしながら演奏しているためで、感覚としてはC一発と考えてよいと思います。後半2小節はI(C)に戻るためのIV→IIm7→V7のパターン(A)と、Key=Eb(同主調ですね)のコードを借用しながらVIIb→VIm→VIb→V7と半音ずつ下がるパターン(B)となっています。

Aメロもイントロのパターン(B)と同じアイデアになっていて、8小節で一かたまりではありますが、前半4小節はベースはCのまま上にのるコードだけが変化し、後半4小節はVIIbから半音ずつ下がるパターンです。

Bメロは以降はKey=Eb(Cm)に転調、とはいってもAメロでもEbのコードが出現しているのでそれほど意外な感じはしません。進行はまずVIm→II→IIm7→V7→VIIb/I→I→V7。2番目にIIが出てきてIIm7→V7に続くのは、よくあるII7→V7の「V7をツーファイブ化」。この後のコードが単純にIではなくVIIb/I(=I7の代理)になっているのが面白いですね。この後はVIm→IV/V→I→IVm7となり、IVm7で締めるのが変わっていますが、これはサブドミマイナーで、Iに行くための(V7の代理的な)コードと思います。

サビであるCメロはKey=Ebのまま進行します。4小節で一かたまりのパターンですが、I(Eb)開始の前半とその代理であるVIm(Cm)始まりの後半の2パターンあるのがポイント。演奏されるメロディは全く同じなのに、Cm始まりの時はちょっと哀愁が漂う感じで、アクセントになっています。

ソロパートであるD~EセクションはKey=Gに転調。冒頭はソロ用のコード進行でよくあるIV→Iの繰り返しですが、単純にこれを繰り返すのではなく、二回目はIの代理であるVImになっていてIV→I→IV→VImという進行になっているのはサビのCメロと同じアイデアですね。ソロ後半はイントロやAメロと同じようにKey=C/Ebにもどって半音ずつ下がっていく進行となっています。

 

この曲について

本田期の折り返しアルバムである夏の惑星は、まさしく夏感にあふれた、ある意味とてもスクエアらしいアルバムだと思います。その中でも冒頭の本楽曲と3曲目の「夏の蜃気楼」はドライブにぴったりなノリノリ曲でとても大好きなナンバーです。「夏の蜃気楼」も打ち込みたいんですが、冒頭アカペラ部分が打ち込みマインドを激しくくじきます...。

もとい、この「夜明けのビーナス」ですが、このタイトルのビーナスは普通に考えて「金星」のことだと思うので、夜明けのビーナス=明けの明星ってことですよね。となると、アルバム「WAVE」のオープニングナンバー「MORNING STAR」も、どう考えてもコチラではないと思うので、普通に考えると「明けの明星」。オープニングナンバー二曲、やはりタイトルかぶりなんでしょうかね...。