きんけけ宅録楽部(楽屋)

趣味のギター&打ち込みの楽屋裏的解説。

遠雷(Distance Thunder)/THE SQUARE

演奏動画

アルバム"STARS AND THE MOON"のラストナンバー、「遠雷」のバッキングトラックです。動画はエレキギターパートを除いたバッキングトラックになっています。

youtu.be

(2022/05/15追記)サックスなしバージョンをリクエストいただきましたので、追加でアップいたしました。こちらのバッキングトラックにはギターパートが含まれています。

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構成・コード進行・解説

Tempo=56 Key=F

Intro→A→B→C
→Interlude→A→B→C
→Ending xN(F.O.)

 

Intro/Interlude/Ending
 |F Bb/F F Bb/F |F Bb/F F |F Bb/F F Bb/F |F Bb/F F |

A
 |F BbM7 |Em7/A A7 Dm7 F7/C |BbM7 C7 C7(b9) |F Bb/F F Bb/F |
 |F BbM7 |Em7/A A7 Dm7 F7/C |BbM7 C7             |Em7/A  A7     |

B
 |Dm7 Am7 |Gm7 C7(b9) F F7 |BbM7 F/A            |Gm7       Em7/A A7 |
 |Dm7 Am7 |Gm7 C7(b9) F F7 |BbM7 C7  C7(b9) |F   Bb/F  F               |

C
 |C        Bb/D C/E |Bb/F          F                  |Em7/A           A7             |Dm7 F7/C |
 |BbM7 F/A          |Gm7          F/A              |Bb        E7/B  F/C A/C#   |Dm7 BbM7 |
 |Am7   Gm7        |Em7b5 A7 Dm7 BbM7 |Am7               C7  C7(b9) |

 

構成はシンプルで、イントロ(=間奏=エンディング)・Aメロ・Bメロ・Cメロを2回繰り返し、エンディングの進行でフェードアウト、という形です。ソロ専用のコード進行もなく、Aメロの進行でピアノソロとなっています。

全体のコード進行もシンプルで、要所要所にセカンダリドミナントが出てきてアクセントになっていること(例えばAメロの2・6小節目のA7やBメロ2・6小節目のF7)と、ベースの進行を滑らかにするためのオンコードがたくさん見られるところ(例えばAメロ2小節目後半からのD→C→Bb、Bメロ3小節目以降のBb→A→G、サビ冒頭のC→DEFなどなど)あたりがポイントでしょうか。

そんな中、「おっ」と思うのはサビ(Cセクション)7小節目2拍目のE7/Bです。ここはセカンダリドミナントのE7ではなく、次のF/Cに半音進行するためのE/Bという感じです。構成音的にはE・G#(Ab)・D・B なので、Eがあるものの響きはBdim的でもあり、これはよく教本にも載っている「パッシング・ディミニッシュ・コード」的な流れともいえそうです。

あと、イントロのコード進行は I→IV/I→I(→IV)となっていて、これはいわゆるアーメン進行(IV→I)ですね。宝島のイントロ終わりのキメもこの進行です。

 

 この曲について

T-SQUAREのアルバムのラストナンバーと言えばバラードが定番なのですが、この「遠雷」という曲は収録アルバムの「STARS AND THE MOON」全体がしっとり系のナンバーが多いために埋もれてしまうのか、同じピアノメインの和泉さんバラードである「FORGOTTEN SAGA」や「TWILIGHT IN UPPER WEST」に比べると取り上げられる機会が少ないという印象があります(ライブ映像も少ない気がします)。

が、和泉さんのソロアルバムではたびたび「Distance Thunder」という曲名で演奏されていて、僕自身もアルバム「FORGOTTEN SAGA」(ややこしい笑)のバージョンを聴いて「ああ、むちゃくちゃ癒される...」とこの曲の良さを再認識したという覚えがあります(おっさんになった、というのもあるかもしれない)。夏の終わりにぴったり、とホントに思います。