Giant Side Steps/THE SQUARE
演奏動画
自分のギター練習用のため、ギターパートを除いたバッキングトラックになっています。
(2022/12/04)EWI向けバージョンをリクエストいただいたので、追加公開しました。
構成・コード進行・解説
Key=F, Tempo=110
Intro1→Intro2→A→A→B→A
→Interlude→Cx3→B→A
→Ending
Intro1/Interlude/Ending
|F F/Eb|Dm7 Dbaug Bb/C|F F/Eb|Dm7 Dbaug Bb/C|
|F/Eb Dm7 |Dbaug F/C G/B|BbM7 Ab7 |Gm7 Bb/C B9(-5)|
Intro2
|Bb/C|C|x4
A
|F C/F|Bb/F Bbm/F|F C/F|Bb/F C/F|
|Bb/F C/F|C#dim/F F |Eb/F |%|
B
|F/Eb |Dm7 |Dbaug |F/C|
|BbM7 |F/A |Gm7 |EbM7|
|Cadd9|%|%|%|
C
|F/Eb |Dm7 |F/Eb |Dm7 |
|B7#11 |BbM7|Gm7 Am7|BbM7 Bb/C|
このタイトルはやはりコルトレーンのGiant Stepを意識したものなんでしょうか(確か当時のキーボードマガジンのインタビューで、作曲者の伊東たけし氏がちょこっとコメントされていたような)...。ただ、コルトレーンチェンジは使われていなくて、その代わり(?)に分数コードを多用し、セクションごとに「ベースだけ動かす」か「ベースは動かさない」という進行になっているのが特徴と思います。
Intro1(Interlude/Ending)・B・Cは「ベースだけ動かす」パートです。上のコード表記ではいずれも2つ目のコードがDm7になっていますが、アイデア的にはF/Dなんだと思います。上で鳴っているコードはFに固定しておいて、ベースだけFからだんだん下がっていく、という形ですね。途中Ab7のようなノンダイアトニックなコードも出てきますが、気持ちとしてはずっとキー=Fと考えておられるようで、伊東たけし氏のエンディングのリリコンソロでもAb7を意識せずにFメジャーのスケールで吹ききっています。
Intro2・Aは「ベースは固定」パートです。Aセクション・Bセクションのベース音はそれぞれC、Fに固定されています。
CはBのバリエーションだと思うのですが、後半はこの曲で唯一のカラフルな進行です。まずB7#11が何とも刺激的で、安藤まさひろ氏のギターソロでもコンディミでアウトしていく感じがムチャクチャ気持ちがいいです。そのあとのIIm→IIIm→IVM7→IV/Vという進行はV7とかIIm7→V7の時に置き換えて使える進行ですね。上昇していく進行がワクワクする感じになります。スティービーワンダーのIsn't She Lovelyのサビ最後に2小節続くA/Bをこれに置き換えた演奏を聴いて「あ、これいい」と思ったものです。
この曲について
T-SQUAREの楽曲では定番の「リリコン/EWIがメロをとる爽やか系ナンバー」の一つだと思うんですが、コード進行がメカニカルで、かつ「これがサビ!」っていう部分がないので「宝島」や「Omens of Love」ほどにはメジャーにはなりきれていないって印象があります。でもこの「セッションでやろうぜ」感満載の進行のおかげで、ライブではアドリブ合戦・ソロ回しがいつもとても盛り上がりますよね。CDに収録されているバージョンでもギターソロのバックで和泉氏がピアノでガンガン盛り上げていますし、ベースとドラムは全体を通してかなり自由に弾きまくっています。市販の譜面では特にベースは単なる繰り返しとなっていることが多いと思いますが、実際には同じように弾いているところはほとんどありません。盛り上がりに合わせて細かく弾きまくっているので、めちゃめちゃ聴きどころではないかと思ってます。