Dandelion Hill/T-SQUARE
演奏動画
自分のギター練習用のため、エレキギターパートを除いたバッキングトラックになっています...とは言うものの、エレキギターパートはサビのアルトサックスとのユニゾンだけです。アコギパートはそのまま含めています。
構成・コード進行・解説
Key=G/Bb, Tempo=114
Intro→A→A'x2→B→C→D
Interlude→A→A'x2→B→C→Dx2
Interlude→Axn(F.O.)
Intro/Interlude
|C/E Bm/D C|G/E B/D# Em7|Am|Dsus4 D| x2
A
|C/G|G|Am7/G|G| x2
A'
|C/G|G |Am7/G|G|
|C/G|Bm7 Em7|F |CM7 D|
B
|Cm7 F7 |BbM7 EbM7|Am7(b5) D7 |Gm Gm/F|
|Em7b5 Ebm|Dm7 Gm7 |Cm7 Bb/D|Eb Eb/F F|
C
|Eb/Bb F/Bb|F/G |F/Eb |Cm Eb/F F|
|Eb/Bb F/Bb|F/G |Dm7 |Fm7 Ab/Bb |
|EbM7 |Bb/D|Cm7 |Gm7 Fm7 Bb7|
|EbM7 Dm7 |Cm7 Eb/F|
D
|F/G |Eb/F|F/G |Eb/F Am7/D|
本田期の和泉宏隆氏の楽曲は牧歌的というか、シンプルでゆったりしたものが多いですね。この曲がそうですし、HUMAN収録のBeyond the Dawnもそう感じます。テンション多めの複雑なコードや転調は最小限にして、響きの美しさを聴かせる雰囲気になっています。
Introは2小節目の2拍め(B/D#)がポイント。1小節目と少しだけ変わっていて、これはEm7へのセカンダリドミナントですね。D#の音がドキッとします。
AやA'の前半はベースがGのまま上のコードがサブドミ→トニックと繰り返して変化をつけるパターン。単なるG一発ではなく、コードトーンのC→B→A→Bという流れが綺麗です。
A'の後半は一転してカラフルに。普通だとBm→Em→Am→D(IIIm→VIm→IIm→V)という流れになると思いますが(実際メロディはダイアトニックのスケール音のみなので、この進行でもシンプルですがおかしく感じないと思います)、3小節目のAmを代理コードのF、そのあとにCM7をはさんで4度進行させているのがポイント。
Bはこの曲で唯一ジャジーな流れ。キーはBbに転調しIIm→V→I→IV→VIIm(b7)→III7→VImとオーソドックスに4度進行。最後のAm7(b5)→D7→Gmはノンダイアトニックコードが含まれていますが、これはマイナーキーでのSD→D→Tという教科書的な流れですね。そこから半音ずつベースを下降させる進行をはさみながらIIIm→VIm→IIm→I→IV→Vという同じく教科書的な流れ。ただ、最後のI→IV→Vは単にBb→Eb→Fとするんではなく、Bb/D→Eb→(Eb/F)→Fとベースが半音ずつ上がっているところがポイントですね。
サビは分数コードが並んでいますが、アイデア的にはBb→Gm→Eb→Fというシンプルな流れ(I→VIm→IV→Vですね)がベースにあって、メロディに独立したハーモニーをつけることでこの進行になっているんだと思います。このあとはサビ後半のEbに向かってセカンダリドミナント(Bb7の代理であるAb/Bb)をはさみつつ、Room335のAメロでも出てくるVI→IIIm→IImという進行で締めにかかるという感じでしょうか。
この曲について
アルバムでは爽やか担当曲だと思うのですが、Daisy Field(アルバム"Natural"、これは安藤氏の作ですが)から続く、自然派シリーズの一曲と個人的には思っています。先にも触れたBeyond the Dawnも含め、この三曲は雰囲気がよく似てます。
この記事のためにちゃんとコード進行を分析して初めていろいろスパイスがちりばめられているの気が付きました。さらっと聴いている分にはメロディ主体の(いい意味で)シンプルな楽曲というイメージだったので驚きです。