Eyes Of The Mind(1983Live)/CASIOPEA
演奏動画
YouTubeのコメントでリクエストをいただいたことがきっかけで作成した、CASIOPEAの"Eyes of The Mind"、1983年の武道館での演奏を耳コピバージョンです。例によって、ギター練習用のバッキングトラックとなっており、エレキギターパートはオミットしています。
構成・コード進行・解説
Tempo=123-124(徐々に上がる) Key=C/Gb(Ebm)
Intro1-Intro2
-A1-B1
-A2-C-D1-E
-A3-B2-D2-Ending
Intro1
|CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Am9/G |Dm7/G Db7 G7(b13) |x2
※アルバムではリピートなし
Intro2(KeySolo1)
|CM7(9,13) |% |AbM9 |% |x2
A1
|CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Dm7 |Dm7/G Db7 G7(b13) |
|CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Dm7 DbM7/Eb |AbM7 Dbm7 |
B1
|Dbm7/Gb |Ebm7/Ab |Fm7(b5) E7 |Ebm7 DM7 |
|GM7 |C7 |Dm7 |Db9 G7(b13) |
A2
|CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Dm7 |Dm7/G |
C(Gt.Solo)
|AbM7/Bb |% |Gm7/C(=Cm11) |% |AbM7/Bb |% |Gm7/C |% |
|Bbm7/Db |% |C7 |% |Fm7 |% |Fm7(b5) |% |
D1
|AbM7/Bb |% |Gm7/C |% |AbM7/Bb |% |Gm7/C |% |
|AbM7/Db |AbM7/C |Cm7/F |% |AbM7/Bb |% |EbM7 |FM7/G |
E(KeSolo2)
|CM7 |% |AbM7 |% |DbM7 |% |Dm7/G |Dm7/G Db7 G7(b13) |x2
※アルバムではリピートなし
A3
|CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Dm7 DbM7/Eb |AbM7 Dbm7 |
B2
|Dbm7/Gb |Ebm7/Ab |Fm7(b5) E7 |Ebm7 DM7 |
|GM7 |C7 |Dm7 |G7(b9b13) |
D2, Ending
|AbM7/Bb |% |Gm7/C |% |
※D2はこの4小節x4が1かたまりとなり、それが計3回(つまり48小節)繰り返される
メロディーがキャッチーなので見逃しがちなんですが、構成がかなり変則的で、普通のJ-POPではお目にかかれないような流れになっています。具体的にはA→B→A→C...E→A→B→D~という流れで、単純に各セクションが順番で出てくるのではなく、Aメロを中心に行ったり来たりしながら各セクションが出てくる、という構成になっています。おそらくこの曲のサビといっていいであろうDセクションは、ギターソロパートであるCセクションのあとにやっと出てくるという変態っぷり。Looking Upもそうですが、初期のカシオペアは構成が独特で飽きないというか、面白いですね。
コード進行。イントロやAメロ、キーボードソロであるEセクションはCMから始まり、同主調のコードであるAbに進行、そのあとはそのまま4度に進行してDb、ラストはKey=CにもどるためにDm-Db7-G7という流れです。Db7はG7の代理コード(裏コード)ですね。Dm→Db→G7→Cという進行はこの曲ではあちこちで出てきます。
Bメロの冒頭はちょっと自信がないのですが、まずGb7→Cbというオーソドックスな進行が基本系、これを偽終止化(V7→IとIに解決せずに、その代理コードであるVImやIIImに着地する進行)してGb7→Abm、テンションを加えてDbm7/Gb(=Gb7(11))→Ebm7/Ab(=Abm11)になったと考えればいいんでしょうか。そのあとのFm7(b5)→E7→Ebm7は、マイナーキーのII-V-I(IIm7(b5)→V7→Im)の進行で、Vが裏コードになっているものです(E7はBb7の裏コード。なので、厳密にはE7ではなくてFb7と書くべきでしょうね)。
ギターソロのCセクションやサビであるDセクションの冒頭もBメロの頭と同じで、Bb7→Ebという進行が基本形。これが偽終止化(Bb7→Cm7)~テンション追加でこの進行になったと思われます(AbM7/Bb=Bb7(11)、Gm7/C=Cm11)*1。
まったくわからないのがCセクション最後のFm7→Fm7(b5)。サブドミマイナーっぽいニュアンスがあるんですが、次のAbM7/Bbに対してなにか役割があるんでしょうか。なんなんだろう。
この曲について&打ち込みについて
耳コピの元になった武道館でのLive演奏はメンバーも観客も本当に楽しそうで、カシオペアってライブバンドだよなぁと改めて実感しました(特に終盤のDセクションのキメのところはサイコーと思います)。
耳コピにあたって苦労したのが向谷氏のCS70Mの音色。向谷氏+YAMAHAというとDXやGS-1だと思っていたのですが、初期はYAMAHAのアナログシンセも弾きまくっていたんですね。YAMAHAはFM音源のイメージが強くて、ポリのアナログシンセをそれなりに出していたことは、恥ずかしながら今回の耳コピで初めて知りました(このデカいシンセは何なんだろう、からのスタートでした)。
あとはやはりライブということで、観客の拍手や声援がないと魅力半減だと感じたので、それっぽいSEを追加しています。YouTubeの概要欄にも書いていますが、これらの音声は「効果音ラボ(https://soundeffect-lab.info/)」「 無料効果音で遊ぼう!(https://taira-komori.jpn.org/index.html)」で公開されている音源を加工して利用させていただきました。
なお、本ナンバー名物の、「向谷氏が首を痛めた」というエピソードが有名なAメロのキメに対する声援が、実際のライブではちゃんと16の裏になっていない箇所もままあるのですが、動画では観客全員がリズム感ばっちりの16の裏で声を出しているという体でデータ作成しております。
いつもあなたが/装甲騎兵ボトムズ
演奏動画
サンライズの渋い一作、1983年放送の装甲騎兵ボトムズから、ED曲の「いつもあなたが」をギター+ウクレレベースで弾いてみました。ボトムズなら普通は「むせる」方を演るべきだと思うのですが、アコギバージョンがやりたかった&こっちもサビの盛り上がりがたまらない、ということからの選曲です。TVサイズなので1分余りの小品です。
コード進行・解説
Tempo=68.6 Key=Bb(Gm)
Intro
|EbM7 Dm7 |EbM7 Dm7 |Cm7 D7 |F/G |Gsus4 Gm |
A(さみしい時も~)
|EbM7 Dm7 |EbM7 Dm7 |Cm7 D7 |F/G C/E |
|EbM7 Dm7 |EbM7 Dm7 |Cm7 D7 |F/G Gm |
B(とおく離れていても~)
|AbM7 Gm7 |AbM7 Gm7 |Cm7 F7 F7/Eb |Dm7 Gm7 Gm7/F |
|C/E EbM7 Dm7|G |
TV版ではIntro→A→Bでおしまいですが、フルサイズの場合はAの後半をもう一度繰り返す「A→B→A」という構成になっています。
コード進行でものすごく印象的なのがところどころに出てくるC/E。この流れで聴くと、単なるCの転回形でなく「このボイシングでないとだめ」という独特の雰囲気のある響きに聴こえます。これ、なんなんだろう。
Bメロは一瞬Key=Ebに転調したように思わせておいて、3小節目で元に戻ってきつつ、逆循環のバリエーション(IIm7→V7→IM7→VIm7が基本形、このうちの3番目IM7を代理のIIIm7にする。このIIIm7がグッとくる)が来て、短い小節数の中にギュッと濃縮されたドラマチックな展開。転回形を使った滑らかなベースの進行も素敵です。最後はGmでなくGで終わっていて(クラシックで言うところのピカルディ終止)解放感があるのもお約束と言えばお約束ですが(そもそものピカルディ終止ってまさにそういう効果を狙ってできたものらしいですもんね)この曲の「最後には安息が来る」という感じにメチャクチャマッチしていると思います。
あとは、ところどころに出てくるD7はもちろんそのあとに続くF/G(≒G7sus4)へのセカンダリードミナントです。
この曲について
ボトムズと言えばボーカルのTETSUがのちに超ヒットメーカーになる織田哲郎氏であるということがよく知られていますが、それはおいておいて、ここでは作曲担当の乾裕樹氏について。
乾氏はシティポップやフュージョンにもゆかりが深いミュージシャン(キーボーディスト)で、EPOの「Vitamin E・P・O 」や高中正義の「Jolly Jive」にも参加ミュージシャンとしてクレジットされています。「Blue Lagoon」のあのハモンドソロを演奏しているのが乾氏、ということなんですね。で、フュージョンバンドである「カリオカ」にも参加されていて、本ナンバーは「DUSK」というアルバムの「Never Ending」という曲がほぼそのまま使用されています。普通にフュージョンとして聴けるナンバーで、この曲に自然な歌詞を乗っけちゃった高橋良輔監督もどうかしてる(いい意味で)と思います。
青春病/藤井風
演奏動画
藤井風くんの青春病をAIめろう・AIナクモをボーカルに据えて耳コピ作成しました。ナクモくんのバージョンはこちら。めろうのバージョンはこちら。
コード進行・解説
Tempo=108 Key=E/Ab
Intro1
→Intro2→A→B→C→D1
→Interlude→A→B→C
→E→F→F'
→D2→Ending1→Ending2
Intro1(青春の病に~)
|EM9 |D#m9 G#m11 |C#m9 F#7(b9) |BM9 F9(b5) |
|EM9 EmM7 |D#m7 D#7/F## G#m9 D9b5 |C#m9 D#m7 |EM9 |
|C#m9 D#7(#9) |
Intro2/Interlude
|AbM7 |DbM7 |Cm7 |Bbm7 DbM7/Eb | x2
A(ヤメた~)
|AbM7 |DbM7 |Cm7 |Ebm7 Ab7(b9) |
|DbM7 |Cm7 Edim Fm7 F7 |Bbm7 |Dbm7 Dbm7/Gb | x2
B(君の声が~)
|Cm7 |Eb/F F7(b9)|Bbm7 |Bbm7/Eb Db |
|Cm7 |Eb/F F7(b9)|Bbm7 |Bbm7/Eb D7(b5) |
C(止まることなく~)
|DbM7 Ab/C |Bbm7 Ab/C |DbM7 Ab/C |Bbm7 Ab/Eb Ab/D |
|DbM7 Ab/C |Bbm7 Ab/C |DbM7 Dm7b5 |Db/Eb |Dbm7/Eb Eb7|
D1(青春の病に~)
|EM7 |D#m7 D#m7/G# |C#m7 C#m7/F# |BM7 F7(b5) |
|EM7 |D#m7 D#7/F## G#m7 F#m7(b5)/C |C#m7 D#m7 |EM7 |
|C#m7 D#7(#9) |
E(無常の~)
|EM7 |D#m7 G#m7 |C#m7 F#7(b9) |BM7 F9(b5) |
|EM7 |D#m7 G#m7 |C#m7 C#m7/B |A#m7(b5) D#7 |
F(切れど切れど~)
|G#m7 |C#m7 |D#m7 |F#m7 B7(b9#11b13) |
|EM7 |D#m7 |C#m7 BM7|A#m7 D#7(b9) |
F'(野ざらし~)
|EM7 |Em6 |D#m7 |F#m7 B7(b9#11b13) |
|EM7 |D#m7 G#m7 |GM7 |C#m7 F#7(#9) F#7(b9) |
D2(青春のきらめき~)
|EM7 |D#m7 D#m7/G# |C#m7 C#m7/F# |BM7 F7(b5) |
|EM7 |D#m7 D#7/F## G#m7 F#m7(b5)/C |C#m7 C#m7/B |AM7 D#7/A# |
Ending1(Oh~)
|EM7 |D#m7 D#m7/G# |C#m7 C#m7/F# |BM7 F9(b5) |
|EM7 |D#m7 D#m7/G# |C#m7 C#m7/B |A#m7 D#7 |
Ending2
|EM7 |D#m7 D#m7/G# |C#m7 C#m7/F# |BM7 A/B |x2
|EM7 |D#m7 D#m7/G# |
上記コード進行はアルバムのものですが、リピート時はテンションなどが変わっているケースもあったので、あくまでご参考で。また、普段は9thは省略して書くことが多いのですが、冒頭イントロはバックがエレピだけということもあり、細かく表記しています。藤井風さんご本人の解釈がどうなのかは、3月に出る2枚目のアルバムに合わせて出るであろうピアノスコアのコメントを楽しみにしています。
要所要所にオルタードテンションが入ったコードが出てきますが、ちゃんと次のコードに着地するための仕掛けになっています(パターンとしては4度で進行しているV→Iの場合と半音上からIIb→Iの場合の両方があります)。
コード進行で面白いなあと思ったのは、Cセクション(止まることなく~のところ)がリズムともども「Room335」でニヤリとしたのと(ホントのところはどうかわかんないですけど)、Fセクションの前半「切れど切れど」と後半「野ざらしに」でメロディは同じなのにコード進行が変化していて、後半一気に視界が開けた感じがするのが気持ちよいよなぁ、ってところです(PVのダンス(?)もいい味が出てますよね。というか、ここはこのダンス込みの方が味わいが深い)。また、D2~Endingにかけては、骨格となる進行は同じですが、後半がちょっとずつ変化していて、ここもかなり凝った仕掛けだなぁと思います。
あと、サビはKey=E、そのあとはKey=Abに転調するんですが、サビ最後の音(さよならを~の「を」の音)がG#=Abになっていて、スムーズにAbに進行するのもニクいです。
この曲について+α
車を運転しながらFM802を聴いていると(大阪在住なのです)、シャレオツなコード進行と気持ちのいい16のリズムにのったイケボのボーカル。「これいいなぁ」と思っていたら「どどめ色~」という歌詞に「ええええっ」となったこの曲。藤井風さんと言えば、紅白でも大活躍でしたね(これを書いているのは3月で、もう話題としてはすっかり過去になってしまってイマサラ感が凄いですが)。
上にも書いた通り、コード進行がめちゃくちゃオシャレで、キャッチーなメロディーと意味深な歌詞も相まって個人的にめちゃくちゃハマってしまい、勢いに任せて耳コピしてしまいました。特に弦のフレーズがかっこいいです。
藤井風さんのナンバーはこれ以外でも素敵な楽曲が盛りだくさんなので、いつかまたやりたいなぁと思っています。
失われた伝説(ゆめ)を求めて/機甲創世記モスピーダ
演奏動画
タツノコプロ製作、1983年放送の機甲創世記モスピーダのOP曲をギター+ウクレレベースで弾いてみました。テレビサイズなので短いです。
コード進行・解説
Intro
|Fm7 |G7(b13) |Cm7 |% |
|AM7 Gm7 |Gm7 |
A(蒼いナイフに~)
|Cm7 |Bb6 |AbM7 |Gm7 |
|Fm7 |Gm7 |AM7 Bb |Cm7 G7(b13) |
|Cm7 |Bb6 |AbM7 |Gm7 |
|Fm7 |Gm7 |AM7 Bb |Cm7 |
B(Do you remember~)
|Fm7 |G7(b13) |Cm7 |% |
|Fm7 |Cm7 |Fm7 Gm7 |Cm7 |
(愛にかえて~)
|Fm7 |EbM7 |DbM7 |G7(b13) |
C(男は誰も~)
|Cm7 |AbM7 G7(b13) |Cm7 |
|Cm7 |AbM7 G7(b13) |Cm7 |
(琥珀色の~)
|AbM7 |Gm7 |Fm7 |G7(b13) |
Ending
|Cm7 Eb/C |D/C Db/C |D(omit3)/C C(omit3)/Bb D(omit3)/C|
上記のコード表記は原曲のものではなく演奏しているものになっています。といっても、特に大胆にアレンジをしているわけではなく、イントロ終わりのG7をGm7としているのと、随所に出てくるG7を原曲の雰囲気に合わせてテンション(b13)付きで弾いている程度の違いです。
コード進行のポイントは2つで、(1)セクションおわりによく出てくる(ノンダイアトニックコードの)G7はトニックであるCm7に進行するためのセカンダリードミナント、(2)Bメロの最後の方に出てくる(同じくノンダイアトニックコードの)DbM7は、ちょっとややこしいですが本ナンバーをメジャー(=Eb)としてみた場合の同主調であるEbmからの借用(Cメジャーで言うとBbにあたる)、といったところでしょうか。
この曲について
僕だけかもしれないのですが、個人的にこの曲を聴くとものすごく「タケカワユキヒデ」節を感じます(そりゃ、作曲者なんですから当然なんですけど)。今回の演奏をきっかけになぜそう感じるのか少し考えてみたのですが、Bメロの「遠い日に置き去りにした」の下降メロディの節回しがポイントのような気がします。ゴダイゴのナンバーで言えば、ポートピアの「君が生きる未来~」とかCarry Loveの「Oh Far away~」とか、ポンキッキの「青い空白い雲~」とか。どうなのかな。バックで鳴っているコードと度数の関係とかもちゃんと考えないとメロディの分析としてはダメなんですけど、この文章は多分に感想文的なものなので、まあよしとします。
話は変わってモスピーダについて。年がバレちゃうのがアレなんですが、モスピーダ自体はリアタイ視聴世代でして、僕は関西出身ということもあり、モスピーダが放送されていた金曜日は17:00からダンバイン→モスピーダ→ボトムズ→(晩御飯を食べて)バイファム...とロボットアニメ三昧でした。ついでにいうと木曜日にはゴーグ、日曜日はオーガスも放送されていて、今考えるともの凄いラインナップです。ただ、このラインナップに埋もれたてしまったせいか、モスピーダについてはこのOPナンバーと「男前の兄ちゃんがなぜか女声で歌を歌う」ことくらいしか覚えていません。
演奏について
YouTubeでの投稿+このブログを書くきっかけになった、島村楽器さんの「おうちで弾こう」が今年も開催されるということで、今回ウクレレベースも購入してしまいました。ほんとはちゃんとツーフィンガーで弾きたかったのですが、思った通りにコントロールできなくて親指弾きで対応しています。とはいえ、低音があると演奏にも幅ができて楽しいですね。
Cakewalk by BandLab 更新情報/2022.02
2022/03/12 Update1の情報を追記。
自分用の覚え書き。
今回のアップデートも最近の修正と同じく、バグフィックスを中心にしたものとなっています。特に今回は、昨年追加された機能である「オーディオのエクスポートダイアログ」「トラックフォルダ」に関する修正が多いようです。
※公式サイトによる今回のリリース内容
Update1でのバグフィックス内容(build 28.02.0.039)
-
空のプロジェクトでアレンジャーセクションをドラッグ/コピーするとクラッシュする。
-
アーティキュレーションマップエディタで最後のアーティキュレーションマップが削除できない。
-
アーティキュレーションマップエディタ中で未使用のアーティキュレーションマップが保存されない。
-
トラックをフリーズ後にプラグインがリスタートされてしまう。
-
ネストしたフォルダーを含むトラックテンプレートをロードするとフォルダ名がおかしくなる。
-
ピアノロールビュー上で、ピッチホイールの値が0~127で表示されている。
-
MIDIクリップ上でスプリットを指定する'S'のショートカットが動作しない。
-
「オーディオのエクスポート」ダイアログで、クリップ/トラックのエキスポート時に「ミックスしてレンダリング」のカテゴリが選択できない状態となっている。
-
オーディオのエクスポートにおいて、「これらの設定をすべてに使用する」を指定しても最初のトラックにしかID3情報が出力されない。
筆者注:ID3タグに関する機能なので、MP3型式でのエクスポートに関する不具合と思うのですが、当該機能を見つけられませんでした。
-
「ゴーストデータを表示」が無効になっている場合、クリップを再選択後に「トラックにバウンス」の処理でゲインの値が無視される。
筆者注:「ゴーストデータを表示」は、トラックビューの表示>表示で指定できます。
-
テンポインスペクターからアレンジャーインスペクターに画面を切り替えると、インスペクタ上でードラック&ドロップの操作が行えなくなる。
機能強化
「オーディオのエクスポート」ダイアログ画面
-
最後に使用したエクスポートパスがプロジェクト毎に記憶されるようになった。
-
「エキスポートフォルダを選択する」ボタンをCTRLキーを押しながらクリックすると、パスがデフォルト値に戻るようになった。
トラックフォルダ
- トラックフォルダーにトラックを移動した際に自動的にトラックフォルダーを展開するかどうかを指定できるようになった(トラックビューのオプションメニューで「Expand Folder after Moving to Folder」を選択/解除する)。
VSTスキャン
- '%LOCALAPPDATA%/Programs/Common/VST3/'がVSTのデフォルトスキャンパスに追加された。マルチユーザ環境のPCや管理者権限のないシステムでも簡単にVSTプラグインを利用できるようにするため、VST3の仕様では本パスの利用が推奨されている。
キーアサイン
-
「すべてをミュート(ミュート解除)」「すべてをソロ(ソロ解除)」「すべてを録音待機(録音待機解除)」がショートカットキーにアサインできるようになった(編集>環境設定のカスタマイズ-キーボードショートカットで設定できる)。
バグフィックス
筆者注:以下の各項目は、今回のアップデートで修正された問題です。
安定性
- 空のトラックでMIDIクリップを利用して既存のクリップに「条件を指定して貼り付け」を実行するとクラッシュする。
- 複数のサブフォルダをもつトラックテンプレートを保存するとクラッシュする。
- 不正なフォルダ階層を持つトラックテンプレートをインポートするとクラッシュする。
- クリップをコピーした後、Melodyneがクラッシュする。
「オーディオのエクスポート」ダイアログ画面
- レンジを指定した状態で「すべてミックス」を実行すると、推定ファイルサイズの算出の際にレンジ指定が無視される。
- サブフォルダのみを含むトラックフォルダが正しく表示されない。
- 保存処理後にエクスポートパスが予期せず変更される。
- プロジェクト保存後にエクスポートフォルダを開くと、間違ったフォルダがオープンされる。
トラックフォルダ
- フォルダにドラッグで移動した後では、フォルダの+/-ボタンが正しく動作しない。
- 各フォルダ階層にトラックが存在しない場合、トラックテンプレートにフォルダ階層が保存されない。
- フォルダ内のトラックから挿入された場合、トラックテンプレートが正しく挿入出来ない。
- フォルダがカレントトラックよりも上部にある場合、シェルフツールで最大値までドラッグすることができない。
筆者注:シェルフツール(shelf tool)という用語がCakewalkのマニュアルにも出てこないのですが、いろいろググってみたところ、(オートメーションを操作する際に使われるような)ノードを操作するタイプのインタフェースをそう呼ぶようです。
- フォルダのコンテクストメニューに「インストゥルメントの挿入」が存在しない。
- 折りたたまれたフォルダにトラックやフォルダをドラッグ&ドラッグする場合、左ドラッグジェスチャを行う必要があった。
筆者注:左ドラッグジェスチャ(原文:left drag gesture)がなにを意味するのか、ちょっとよくわかりません。
ユーザーインタフェース
- Melodyenクリップの上に録音した場合、コンピレーショントラックに正しいクリップが表示されない。
- 英数字以外の文字を含むカテゴリをブラウザが表示できない。
- トースト通知ウィンドウ中の「What's New」のリンクがトーストを閉じてしまう。
- アーティキュレーションの説明が長すぎる場合、イベントリストに表示されない。
- 「シンセの置換」を実行しても、シンセプラグインのUIに表示されない。
- コンソールビューのコンテクストメニューの「トラック/バスを削除」の項目がレコーディング中も非活性にならない。
- レコーディング中でもアレンジメントプレビューが操作可能な状態となっている。
その他
- ソロボタンのグループ化がシンプルなインストゥルメントトラックで機能しない。
- クイックグループ機能で複数のインストゥルメントトラックのアウトプットが変更できない。
筆者注:クイックグループは複数のトラック/バスの同じコントロールを調節する機能です(Cakewalkドキュメントはこちら)。
- マルチチャンネルのPCM Waveファイルがサンプルレートの異なるプロジェクトにインポートできない。
- プロジェクトを開かずにトラックテンプレートにドラッグすると、プロジェクトが破壊される。
- モノのセンドがプロジェクトを再オープンした際に保持されない。
- 「無音部分削除」を使用するとクリップ名も削除される。
筆者注:無音部分削除コマンドのCakewalkドキュメントはこちら。
- トラック数が少ないMIDIファイルをインポートしようとすると「Cannot Read File error」が発生する。
- 「拍子/調号」の変更が含まれている場合、「すべてのクリップのリップル編集」が期待したように動作しない。
筆者注:リップル編集に関するCakewalkドキュメントはこちら。
- イベントインスペクタで開始時刻の編集を中断すると、クリップがどこかに移動してしまう可能性がある。
筆者注:イベントインスペクタのCakewalkドキュメントはこちら。
- 同時に同時に複数の(筆者注:MIDIイベントとしての)コントロールが選択されているMIDIノートを結合すると、コントロールが削除される。
- MIDIシステムエクスクルーシブメッセージはバンクとして保存されるが、設定が無視される。
- 「現在タイムの小節:拍を指定」(筆者注:メニューのプロジェクトにあります)のあとでは、ピアノロールビューでのタブキーによるノート移動が正しく動作しない。
- 削除対象のすきまを明示的に指定していないと、テンポトラックのリップル編集に失敗する。
- ソロでdim指定していても、Auxトラックがdim状態とならない。
- 波形生成中にプロジェクトを編集するとプロセスが再起動する。
プラグイン
筆者注:JUCEはアプリケーション開発に使用されるC++フレームワーク。主にGUIやプラグイン開発に利用される(公式サイト)。
- ユーザープロジェクトで、ProChannelのPC76がユーザインタフェースのロードに失敗する。
- ユーザープロジェクトのループ中、プラグインのオートメーションノードが正しく読み込まれない。
- VSTサンドボックスキャンの初期化/リセットの処理が、メニューへの追加に失敗し、検出されたプラグイン数が0であると表示する。
- FXラックに挿入したARA対応プラグインが正しく機能しない。
筆者注:ARA(Audio Random AccessS)はMelodyneのような録音内容を加工するソフトウェアをDAWのプラグインとして扱えるようにするためのソフトウェア(GitHub - Celemony/ARA_SDK: Umbrella installer for all ARA SDK submodules)。
Adventure(Arrange Version)-OutRunners/SEGA
演奏動画
SEGAのレーシングゲームの怪作、OutRunnersからAdventureです。B-Univのアルバム、「Virtua Racing & Out Runners」に収録されているアレンジバージョンをサイズ短めで耳コピ再現してみました。
SEGAのレーシングゲームBGMからなにか作るとすればOutRunやセガラリーから持ってくるのが順当だと思うのですが、おなじフュージョン風味のナンバーなら、この曲もよくない!?ということでの選曲です。
構成・コード進行・解説
Tempo=120
Intro→A→B→C→D→A→B(F.O.)
Intro
|BbM7/C Am7/D Bbm7/Eb| % | % |Bm7/E Cm7/F| x4
|Fm7/Bb |
A
|BbM7/C Am7/D Bbm7/Eb| % | % |F#m7/B Gm7/C| x2
B
|Am7/D |Cm7/F |Em7/A |Fm7/Bb Em7/A | x2
C(Piano Solo)
|FM7/G |% |% |FM7/G EM7/F#|
|EbM7/F |% |% |EbM7/F% EM7/F#|
|FM7/G |% |% |FM7/G EM7/F#|
|EbM7/F |% |% |EbM7/F Eb F F# G|
D
|(G) AbM7/Bb |GM7/A|GM7/A AbM7/Bb|GM7/A F#M7/G#|
|(F#M7/G#) AbM7/Bb|GM7/A|GM7/A AbM7/Bb|GM7/A EbM7/D |
分数コードだらけですが、この曲はものすごくおおざっぱに言ってしまうとすべてIV/Vだけでできている曲です。このコードがひたすら並行移動されてこの曲を形作っています。一部ボイシングの関係でIIm/Vに相当するコードも出てきていますが、機能的には全く同じです。もっと突き詰めて言うとこれはV7の代理コードなので、7thがひたすら続いていく...と言えなくもないですが、普通の7thとちがいIV/V(IIm7/V)は洗練された響きがする(と思う...)ので、ブルースのような泥臭い感じはないです。
この曲について
OutRunnersはSEGAの往年の名作レーシングゲームOutRunシリーズの第三弾として1993年にリリースされたゲームです。8人までの同時対戦が可能で、ガチに運転を楽しむというより、初代OutRunの「世界中の名所をお気楽に走り回る」というところにフォーカスした作風の作品でした。
BGMは初代OutRun3曲のアレンジバージョンに加えて7つの新曲が用意されているのですが、個人的にはハウスっぽいアレンジが「うーん、ちょっと違う...」と感じていて、リアルにプレイしていた時には短い曲が次々に入れ替わる「MEGA Radio Station」というモードを愛用していました(年がばれる...)。そんな中、フュージョン風味強めのこのナンバーだけはちょっと雰囲気が違っていて、前述のB-Univのアルバムでもその風味を前面に押し出したアレンジになっています。
打ち込みに関しては、ラッパ隊をブラス音色一発にせずにトランペットx2+トロンボーンで分けて打ち込んでいたり、ピアノはちゃんとペダルも考えていたり、というところもポイントなんですが、ラテンパーカッションをひたすら一音一音打ち込んだのが一番の苦労どころです。
Cakewalk by BandLab 更新情報/2021.12
自分用の覚え書き。
今回のアップデートは最近の修正と同じく、バグフィックスを中心にしたものとなっています。機能強化としてはトラックフォルダの階層化が含まれています。
個人的には「プロジェクト読み込み時に応答不能になる」ことへの対応がヒットです。特定のプロジェクトをcwpファイルから直接起動すると、プラグイン読み込み後に応答不能になってしまうケースがあったのですが(こういう場合、まずCakewalkを起動するor軽いプロジェクトを読み込んだ後に、目的のプロジェクトを読み込むとうまく立ち上がる)、これが改善されていればかなりストレスが軽減されます。
※公式サイトによる今回のリリース内容
新機能・機能強化
-
トラックフォルダーのネスト(階層化)対応
-
VST3 SDK 3.7.73にアップグレード
- ELASTIQUE SDK 3.3.9にアップグレード(ELASTIQUE stretchingに対する修正も含む)
筆者注:ELASTIQUEはzplaneが提供するタイムストレッチ関係のプロダクト(zplane Licensing - Technology)。
- 最新バージョンである ARA 2.0 SDK にアップグレード
筆者注:ARA(Audio Random AccessS)はMelodyneのような録音内容を加工するソフトウェアをDAWのプラグインとして扱えるようにするためのソフトウェア(GitHub - Celemony/ARA_SDK: Umbrella installer for all ARA SDK submodules)。
バグフィックス
システムの安定
-
エクスポートタスク設定の読込み時にクラッシュする。
-
パス追加時にワイルドカードが残っているとクラッシュする。
-
ユーザープロジェクト読み込み時に応答なしになる。
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プラグイン解放時にJBridgeがクラッシュする問題への対応。
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サンプル数がマイナスになったために発生する「クラッシュ/応答なし」状態を回避。
エキスポート
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無効なドライブやパスが指定されている場合、エクスポートタスクはメッセージを出力せずに失敗する。
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MIDIファイルとしてエクスポートする際に、本来表示する必要のないオーディオトラックに関する警告メッセージが表示される。
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ファイル名にピリオドが含まれるタスクを再呼び出しすると、ファイル名が不正なものになる。
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オーディオのエクスポートパス設定が、プロジェクト保存時にすぐに更新されない。
オーディオのエクスポートダイアログ
- キーボードナビゲーションサポートを追加。
- スペースキーを使用して選択中の項目を変更しても、RANGE欄のドロップダウンリストが更新されない。
- フライアウトを選択しても、TimeRangeのドロップダウンリストが更新されない。
- WHAT TO EXPOTパネル右側の"Tracks/Buses in Project'をマウスホイールでスクロールさせた時の、スクロールの移動量が大きすぎる。
- エクスポートタスクを再呼び出しすると、不規則に再呼び出しが選択される。
- 複数ファイルのエクスポートの幅を拡大。
- TASK QUEUEパネルの高さはキューサイズ+1に制限する必要がある。
- FLAC形式でエクスポートする際の、プレビューのファイル名が間違っている。
ユーザーインタフェース
- Windowsのハイコントラストモードでは設定ダイアログのカテゴリが判読できない。
- アレンジャー、オーディオのエクスポート、テンポトラックの機能説明をヘルプモジュールに追加。
- フォルダの色や、元のフォルダの順序が"Undo Delete Folder"で復元されない。
- トラックを移動する際、移動先フォルダが展開されない。
- コンプクリップのフォルダーをクリックしても、全トラックが選択されない。
- 単一のフォルダが存在する場合、コンテキストメニューの「トラックフォルダに移動」が欠落する。
- Ctrlキーを押しながらフォルダのカラーバーをクリックすると、すべてのフォルダの内容の色が変わるべき(だが変わらない)。
- トラック範囲の選択が、フォルダーでは期待どおりに機能しない。
- クリップビュー内で投縄選択(Lasso Select。右クリック+ドラッグによる選択)をすると、すべてのアーティキュレーションが選択されてしまう。
- いくつかのメニュー(プラグインメニューなど)における、アクセシビリティ/画面読上げ機能 サポートに関する修正。
- サブフォルダー数を最上位フォルダーの情報パネルに追加。
- テンポインスペクターでテンポの変更時刻(BPM左側のM:B:Tで指定する値)が編集できない。
- プロジェクトに空のサブフォルダーだけが含まれているフォルダーが含まれている場合、トラックマネージャーをコンソールビューから開くことができない。
- フォルダのアーカイブボタン(Aのアイコン)をクリックすると、Solo/Mute/Recのアイコンが消えていまう。
その他修正
- トラックテンプレートに1)フォルダの色 2)バスの色 3)ProChannelのポストエフェクトステータス が保存されない。
- インストルメントトラックを含むフォルダーでは、エコーボタンが常に「半有効」状態となっていた。
- トラックをドラッグ移動すると、当該トラックが選択範囲内にあるかどうかに関係なく、そのトラックと選択されているすべてのトラックが移動してしまう。
- 名前のない複数のMIDIクリップをデスクトップにドラッグできない。
- フォルダーのコンプストリームにアーティキュレーションが正しく表示されない。
- トラックの出力バスがソロになっている場合に「Bounce to clip」を実行すると、無音のクリップがレンダリングされてしまう。
- Append Instrument / Simple Instrument におけるポートの不整合
- プロジェクト内のストレッチクリップが再生されない
- 編集または分割クリップされたクリップに対するタイムトレッチでは、誤ったストレッチ比となっていた。
- スリップストレッチクリップに対してUndoを実行すると、プロジェクトの状態が誤って復元されてしまう。
- AUXトラックを含むプロジェクトで欠落したシンセを削除~Undoすると、フィードバックループが発生する。
- ドラムマップを含むプロジェクトでシンセを削除~Undoしても、MIDI出力ルーティングが復元されない。
- テンポインスペクタの時刻編集では、区切り文字として「:」のみを受け入れる。
- テンポトラックにペーストされたトラックのオートメーション(筆者注:意味不明です。原文:Track automation pasted to Tempo track)。
- ソロ状態のプリフェーダーが他のトラックに信号を送信する(筆者注:意味不明です。原文:Solo silences pre-fader sends on other tracks)。
- ソロ状態のバスを保存するトラックテンプレート。
- Waves TuneプラグインがRegion FXとして表示されてしまう。
- アクティブなサイドチェーン入力を備えたプラグインを含むトラックがソロ化すると、古いリリースのCakewalkではソロを解除しても音声が出力さない。
- ARAクリップの移動でMelodyneの更新に失敗する。
- プラグインマネージャーでVST3プラグインのプラグインプロパティが変更できない。