Cakewalk by BandLab 更新情報/2022.02
2022/03/12 Update1の情報を追記。
自分用の覚え書き。
今回のアップデートも最近の修正と同じく、バグフィックスを中心にしたものとなっています。特に今回は、昨年追加された機能である「オーディオのエクスポートダイアログ」「トラックフォルダ」に関する修正が多いようです。
※公式サイトによる今回のリリース内容
Update1でのバグフィックス内容(build 28.02.0.039)
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空のプロジェクトでアレンジャーセクションをドラッグ/コピーするとクラッシュする。
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アーティキュレーションマップエディタで最後のアーティキュレーションマップが削除できない。
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アーティキュレーションマップエディタ中で未使用のアーティキュレーションマップが保存されない。
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トラックをフリーズ後にプラグインがリスタートされてしまう。
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ネストしたフォルダーを含むトラックテンプレートをロードするとフォルダ名がおかしくなる。
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ピアノロールビュー上で、ピッチホイールの値が0~127で表示されている。
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MIDIクリップ上でスプリットを指定する'S'のショートカットが動作しない。
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「オーディオのエクスポート」ダイアログで、クリップ/トラックのエキスポート時に「ミックスしてレンダリング」のカテゴリが選択できない状態となっている。
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オーディオのエクスポートにおいて、「これらの設定をすべてに使用する」を指定しても最初のトラックにしかID3情報が出力されない。
筆者注:ID3タグに関する機能なので、MP3型式でのエクスポートに関する不具合と思うのですが、当該機能を見つけられませんでした。
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「ゴーストデータを表示」が無効になっている場合、クリップを再選択後に「トラックにバウンス」の処理でゲインの値が無視される。
筆者注:「ゴーストデータを表示」は、トラックビューの表示>表示で指定できます。
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テンポインスペクターからアレンジャーインスペクターに画面を切り替えると、インスペクタ上でードラック&ドロップの操作が行えなくなる。
機能強化
「オーディオのエクスポート」ダイアログ画面
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最後に使用したエクスポートパスがプロジェクト毎に記憶されるようになった。
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「エキスポートフォルダを選択する」ボタンをCTRLキーを押しながらクリックすると、パスがデフォルト値に戻るようになった。
トラックフォルダ
- トラックフォルダーにトラックを移動した際に自動的にトラックフォルダーを展開するかどうかを指定できるようになった(トラックビューのオプションメニューで「Expand Folder after Moving to Folder」を選択/解除する)。
VSTスキャン
- '%LOCALAPPDATA%/Programs/Common/VST3/'がVSTのデフォルトスキャンパスに追加された。マルチユーザ環境のPCや管理者権限のないシステムでも簡単にVSTプラグインを利用できるようにするため、VST3の仕様では本パスの利用が推奨されている。
キーアサイン
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「すべてをミュート(ミュート解除)」「すべてをソロ(ソロ解除)」「すべてを録音待機(録音待機解除)」がショートカットキーにアサインできるようになった(編集>環境設定のカスタマイズ-キーボードショートカットで設定できる)。
バグフィックス
筆者注:以下の各項目は、今回のアップデートで修正された問題です。
安定性
- 空のトラックでMIDIクリップを利用して既存のクリップに「条件を指定して貼り付け」を実行するとクラッシュする。
- 複数のサブフォルダをもつトラックテンプレートを保存するとクラッシュする。
- 不正なフォルダ階層を持つトラックテンプレートをインポートするとクラッシュする。
- クリップをコピーした後、Melodyneがクラッシュする。
「オーディオのエクスポート」ダイアログ画面
- レンジを指定した状態で「すべてミックス」を実行すると、推定ファイルサイズの算出の際にレンジ指定が無視される。
- サブフォルダのみを含むトラックフォルダが正しく表示されない。
- 保存処理後にエクスポートパスが予期せず変更される。
- プロジェクト保存後にエクスポートフォルダを開くと、間違ったフォルダがオープンされる。
トラックフォルダ
- フォルダにドラッグで移動した後では、フォルダの+/-ボタンが正しく動作しない。
- 各フォルダ階層にトラックが存在しない場合、トラックテンプレートにフォルダ階層が保存されない。
- フォルダ内のトラックから挿入された場合、トラックテンプレートが正しく挿入出来ない。
- フォルダがカレントトラックよりも上部にある場合、シェルフツールで最大値までドラッグすることができない。
筆者注:シェルフツール(shelf tool)という用語がCakewalkのマニュアルにも出てこないのですが、いろいろググってみたところ、(オートメーションを操作する際に使われるような)ノードを操作するタイプのインタフェースをそう呼ぶようです。
- フォルダのコンテクストメニューに「インストゥルメントの挿入」が存在しない。
- 折りたたまれたフォルダにトラックやフォルダをドラッグ&ドラッグする場合、左ドラッグジェスチャを行う必要があった。
筆者注:左ドラッグジェスチャ(原文:left drag gesture)がなにを意味するのか、ちょっとよくわかりません。
ユーザーインタフェース
- Melodyenクリップの上に録音した場合、コンピレーショントラックに正しいクリップが表示されない。
- 英数字以外の文字を含むカテゴリをブラウザが表示できない。
- トースト通知ウィンドウ中の「What's New」のリンクがトーストを閉じてしまう。
- アーティキュレーションの説明が長すぎる場合、イベントリストに表示されない。
- 「シンセの置換」を実行しても、シンセプラグインのUIに表示されない。
- コンソールビューのコンテクストメニューの「トラック/バスを削除」の項目がレコーディング中も非活性にならない。
- レコーディング中でもアレンジメントプレビューが操作可能な状態となっている。
その他
- ソロボタンのグループ化がシンプルなインストゥルメントトラックで機能しない。
- クイックグループ機能で複数のインストゥルメントトラックのアウトプットが変更できない。
筆者注:クイックグループは複数のトラック/バスの同じコントロールを調節する機能です(Cakewalkドキュメントはこちら)。
- マルチチャンネルのPCM Waveファイルがサンプルレートの異なるプロジェクトにインポートできない。
- プロジェクトを開かずにトラックテンプレートにドラッグすると、プロジェクトが破壊される。
- モノのセンドがプロジェクトを再オープンした際に保持されない。
- 「無音部分削除」を使用するとクリップ名も削除される。
筆者注:無音部分削除コマンドのCakewalkドキュメントはこちら。
- トラック数が少ないMIDIファイルをインポートしようとすると「Cannot Read File error」が発生する。
- 「拍子/調号」の変更が含まれている場合、「すべてのクリップのリップル編集」が期待したように動作しない。
筆者注:リップル編集に関するCakewalkドキュメントはこちら。
- イベントインスペクタで開始時刻の編集を中断すると、クリップがどこかに移動してしまう可能性がある。
筆者注:イベントインスペクタのCakewalkドキュメントはこちら。
- 同時に同時に複数の(筆者注:MIDIイベントとしての)コントロールが選択されているMIDIノートを結合すると、コントロールが削除される。
- MIDIシステムエクスクルーシブメッセージはバンクとして保存されるが、設定が無視される。
- 「現在タイムの小節:拍を指定」(筆者注:メニューのプロジェクトにあります)のあとでは、ピアノロールビューでのタブキーによるノート移動が正しく動作しない。
- 削除対象のすきまを明示的に指定していないと、テンポトラックのリップル編集に失敗する。
- ソロでdim指定していても、Auxトラックがdim状態とならない。
- 波形生成中にプロジェクトを編集するとプロセスが再起動する。
プラグイン
筆者注:JUCEはアプリケーション開発に使用されるC++フレームワーク。主にGUIやプラグイン開発に利用される(公式サイト)。
- ユーザープロジェクトで、ProChannelのPC76がユーザインタフェースのロードに失敗する。
- ユーザープロジェクトのループ中、プラグインのオートメーションノードが正しく読み込まれない。
- VSTサンドボックスキャンの初期化/リセットの処理が、メニューへの追加に失敗し、検出されたプラグイン数が0であると表示する。
- FXラックに挿入したARA対応プラグインが正しく機能しない。
筆者注:ARA(Audio Random AccessS)はMelodyneのような録音内容を加工するソフトウェアをDAWのプラグインとして扱えるようにするためのソフトウェア(GitHub - Celemony/ARA_SDK: Umbrella installer for all ARA SDK submodules)。