Cakewalk by BandLab 更新情報/2021.09
2021/10/31 Update1の情報を追記。
自分用の覚え書き。
今回のアップデートではエクスポートダイアログが大きく変更されました。僕自身について言えば、エクスポート処理はコントロールバーのエクスポートモジュールをポチるだけなので、今回のアップデートは横目で見ているだけという感じなのですが、エクスポート処理自体が高速化されているのは地味にありがたいです。
※公式サイトによる今回のリリース内容
Update1でのバグフィックス内容(build 27.09.0.145)
Update1はバグフィックスだけのリリースだったので、以下に対応された不具合を書いておきます。
なお、※をつけた項目は不具合ではなく改善点と思われます。
- S-Gear2 VST3プラグインを挿入するとクラッシュする。
- アレンジャーセクションのコンテクストメニューを閉じるとクラッシュすることがある。
- サラウンドバス上のプラグインを利用したエクスポートでは、プラグインのバッファの出力処理中にハングする可能性がある。
- まれにではあるが、ある種のプラグインでは、プラグインのバッファ出力処理中にエクスポートがハングする可能性がある。
- MP3のエクスポートダイアログで、取り消されたタスク設定が表示されない。
- MP3のエクスポートダイアログで、既定値が256kbpsになっていない。
- ノートブラウザタブの変更内容が、Cakewalkを再起動するまでMP3エクスポートダイアログのID3に反映されない。
- 時間で0を選択している場合、MIDIエクスポートはプロジェクト全体をエクスポートする。
- 一部のプロジェクトでは、オーディオのエクスポートダイアログを開くとWindowsの通知音が鳴る。
- オーディオのエクスポートダイアログにおいて、プロジェクトに設定されている実際のサンプルレートではなく、デフォルトのサンプルレートが使用される。
- バウンスのバッファサイズが大きい場合、96k以上のサンプルレートでエクスポートまたはバウンスを実行すると結果が無音になる。
- 無効なドライブやパスを指定している場合、意味のあるメッセージが出力されることなくエクスポート処理が失敗する。
- 外部エンコーダを利用したエクスポートが正しく機能しなかった。
- エクスポートのタスクキューに重複したファイル名があると警告する(※)。
- 複数のファイルをエクスポートする場合、ファイルの上書きプロンプトの幅を拡張し、リストをスクロール可能とした(※)。
- MIDIエクスポートでもオーディオトラックに関する警告メッセージが表示される。
- 「トラックにバウンス」ダイアログでは、サンプルレートが常に44100Hzでレンダリングされる。
- 「トラックにバウンス」ダイアログでは、不必要なサンプルレート変換を避けるために、常にプロジェクトのサンプルレートを使用するべきである(が、そうなっていなかった)。
- オーディオのエクスポートダイアログに設定したバウンスのバッファサイズが、「クリップにバウンス」処理でも(予期せず)使用されていた。
エクスポート機能の強化
- 操作方法を合理化し、よく利用される機能に簡単にアクセスできるよう設計された、直感的な新しいエクスポートUI
筆者注:ファイル~エクスポート~オーディオで表示される画面が大幅に刷新されました。以前は「名前を付けて保存」の機能強化版コモンダイアログ的な画面でしたが、今回のアップデートで専用の設定画面となりました。
- 複数のエクスポート処理を一括(バッチ化)して行うためのタスクキュー
- タグ形式で指定したトークンによるファイル名の生成
筆者注:生成されるオーディオファイル名を、{projectname}や{d}といったタグ形式のトークンで設定できるようになりました。主なトークンは以下の通り。すべてのトークンはファイル名横のペンのマークのアイコンを押下すれば確認できます。
- プロジェクト名 = {projectname} or {P}
- ノートブラウザに設定している曲名 = {notesname} or {N}
- ノートブラウザに設定しているアーティスト名 = {notesartist} or {A}
- サンプルレート = {samplerate} or {sr}
- ビット長 = {bitdepth} or {bd}
- チャンネルフォーマット = {channelformat} or {cf}
- トラック名 = {trackname} or {T}
- トラック番号 = {tracknumber} or {t}
- 日付 = {d}
- テンポ = {tempo} or {b}
- 拍子 = {meter} or {m}
- キー(調号) = {key} or {k}
- タスク = {taskname} or {TN}
- 新しく追加されたエクスポートソースカテゴリ:Tracks Through Entire Mix、トラックフォルダ、Arranger Sections
- 「オーディオのエクスポート」ダイアログボックスから直接トラックの選択とミュート/ソロトラックに簡単にアクセス可能に
- デフォルトの「オーディオファイルのエクスポート」フォルダパス
筆者注:環境設定~ファイル~保存フォルダの指定にあります。
- AUXトラックおよびサイドチェーン付きトラックのエクスポート処理の改善
- エクスポート/バウンス中の自動エフェクトテールフラッシング
筆者注:おそらく、音声入力がなくなった後も必要なエフェクト処理が自動的に行われるということと思われます。ディレイやリバーブなどを想像いただければ分かり易いと思います。
- エクスポートフォルダのリンクを含むトースト通知(エクスポートが完了すると、リンクを含むトースト通知が表示される)
- 「エクスポートオプション」ダイアログボックスの「Use These Settings for All」オプション
複数のファイルをMP3またはWMA形式でエクスポートする場合「エクスポートオプション」ダイアログボックスに「Use These Settings for All(これらの設定をすべてのファイルに適用)」オプションが追加され、ファイルごとにプロンプトを表示する代わりに、すべてのファイルに同じ設定を適用できる。
筆者注:このオプションを見つけることができませんでした。
その他の機能強化
- AudioSnapにおけるトランジェント検出処理の改善
さまざまなソース素材のオーディオトランジェントがより正確に検出できるようにデフォルトのトランジェント検出アルゴリズムが大幅に改善された。検出方法は3種から選択できる。
- 「トラックにバウンス」ダイアログボックスの改善
(トラックビューのトラックメニューで選択できる)「トラックにバウンス」ダイアログボックスも再設計され、「オーディオのエクスポート」ダイアログボックスと同様のUIになった。
筆者注:Mackie Controlはフィジカルコントローラの一種でこういう感じのデバイスです。VPotは各トラックの上部に配置されているロータリー型のつまみで、ここにいろいろな値がアサインできます。Cakewalkではこれまでもspread VPot DataTypeがサポートされていましたが、設定するパラメータによっては値の大小を逆に扱う必要があるため、本バージョンでrevspread(="reverse spread")が追加されました。
- ASIOドライバーの互換性チェック
互換性のないASIOドライバーが検出された場合、ドライバーモードのWASAPIへの変更を促す。
- プロジェクトへの複数のMIDIファイルの同時ドラッグが可能に
最適化
- エクスポート処理における、利用メモリ量の削減と処理の高速化
- トラック数が多いプロジェクトの読み込み高速化
- 「クリップへのバウンス」の高速化