きんけけ宅録楽部(楽屋)

趣味のギター&打ち込みの楽屋裏的解説。

Eyes Of The Mind(1983Live)/CASIOPEA

演奏動画

YouTubeのコメントでリクエストをいただいたことがきっかけで作成した、CASIOPEAの"Eyes of The Mind"、1983年の武道館での演奏を耳コピバージョンです。例によって、ギター練習用のバッキングトラックとなっており、エレキギターパートはオミットしています。

youtu.be

構成・コード進行・解説

Tempo=123-124(徐々に上がる) Key=C/Gb(Ebm)

Intro1-Intro2
 -A1-B1
 -A2-C-D1-E
 -A3-B2-D2-Ending

Intro1

 |CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Am9/G |Dm7/G Db7 G7(b13) |x2
  ※アルバムではリピートなし

Intro2(KeySolo1)
  |CM7(9,13) |% |AbM9 |% |x2

A1
 |CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Dm7                 |Dm7/G Db7 G7(b13) |
 |CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Dm7 DbM7/Eb |AbM7  Dbm7           |

B1
 |Dbm7/Gb |Ebm7/Ab |Fm7(b5) E7 |Ebm7 DM7         |
 |GM7         |C7            |Dm7           |Db9      G7(b13)  |

A2
 |CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Dm7 |Dm7/G |

C(Gt.Solo)
 |AbM7/Bb |% |Gm7/C(=Cm11) |% |AbM7/Bb |% |Gm7/C   |% |
 |Bbm7/Db |% |C7                      |% |Fm7          |% |Fm7(b5) |% |

D1
 |AbM7/Bb |%            |Gm7/C |% |AbM7/Bb |% |Gm7/C |%         |
 |AbM7/Db |AbM7/C |Cm7/F  |% |AbM7/Bb |% |EbM7   |FM7/G |

E(KeSolo2)
 |CM7 |% |AbM7 |% |DbM7 |% |Dm7/G |Dm7/G Db7 G7(b13) |x2

 ※アルバムではリピートなし

A3
 |CM7(9,13) |% |AbM9 |% |DbM9 |% |Dm7 DbM7/Eb |AbM7  Dbm7 |

B2
 |Dbm7/Gb |Ebm7/Ab |Fm7(b5) E7 |Ebm7 DM7  |
 |GM7         |C7            |Dm7            |G7(b9b13)  |

D2, Ending
 |AbM7/Bb |%      |Gm7/C |% |
  ※D2はこの4小節x4が1かたまりとなり、それが計3回(つまり48小節)繰り返される

 

メロディーがキャッチーなので見逃しがちなんですが、構成がかなり変則的で、普通のJ-POPではお目にかかれないような流れになっています。具体的にはA→B→A→C...E→A→B→D~という流れで、単純に各セクションが順番で出てくるのではなく、Aメロを中心に行ったり来たりしながら各セクションが出てくる、という構成になっています。おそらくこの曲のサビといっていいであろうDセクションは、ギターソロパートであるCセクションのあとにやっと出てくるという変態っぷり。Looking Upもそうですが、初期のカシオペアは構成が独特で飽きないというか、面白いですね。

コード進行。イントロやAメロ、キーボードソロであるEセクションはCMから始まり、同主調のコードであるAbに進行、そのあとはそのまま4度に進行してDb、ラストはKey=CにもどるためにDm-Db7-G7という流れです。Db7はG7の代理コード(裏コード)ですね。Dm→Db→G7→Cという進行はこの曲ではあちこちで出てきます。

Bメロの冒頭はちょっと自信がないのですが、まずGb7→Cbというオーソドックスな進行が基本系、これを偽終止化(V7→IとIに解決せずに、その代理コードであるVImやIIImに着地する進行)してGb7→Abm、テンションを加えてDbm7/Gb(=Gb7(11))→Ebm7/Ab(=Abm11)になったと考えればいいんでしょうか。そのあとのFm7(b5)→E7→Ebm7は、マイナーキーのII-V-I(IIm7(b5)→V7→Im)の進行で、Vが裏コードになっているものです(E7はBb7の裏コード。なので、厳密にはE7ではなくてFb7と書くべきでしょうね)。

ギターソロのCセクションやサビであるDセクションの冒頭もBメロの頭と同じで、Bb7→Ebという進行が基本形。これが偽終止化(Bb7→Cm7)~テンション追加でこの進行になったと思われます(AbM7/Bb=Bb7(11)、Gm7/C=Cm11)*1

まったくわからないのがCセクション最後のFm7→Fm7(b5)。サブドミマイナーっぽいニュアンスがあるんですが、次のAbM7/Bbに対してなにか役割があるんでしょうか。なんなんだろう。

この曲について&打ち込みについて

耳コピの元になった武道館でのLive演奏はメンバーも観客も本当に楽しそうで、カシオペアってライブバンドだよなぁと改めて実感しました(特に終盤のDセクションのキメのところはサイコーと思います)。

耳コピにあたって苦労したのが向谷氏のCS70Mの音色。向谷氏+YAMAHAというとDXやGS-1だと思っていたのですが、初期はYAMAHAのアナログシンセも弾きまくっていたんですね。YAMAHAFM音源のイメージが強くて、ポリのアナログシンセをそれなりに出していたことは、恥ずかしながら今回の耳コピで初めて知りました(このデカいシンセは何なんだろう、からのスタートでした)。

あとはやはりライブということで、観客の拍手や声援がないと魅力半減だと感じたので、それっぽいSEを追加しています。YouTubeの概要欄にも書いていますが、これらの音声は「効果音ラボ(https://soundeffect-lab.info/)」「 無料効果音で遊ぼう!(https://taira-komori.jpn.org/index.html)」で公開されている音源を加工して利用させていただきました。

なお、本ナンバー名物の、「向谷氏が首を痛めた」というエピソードが有名なAメロのキメに対する声援が、実際のライブではちゃんと16の裏になっていない箇所もままあるのですが、動画では観客全員がリズム感ばっちりの16の裏で声を出しているという体でデータ作成しております。

*1:ホントに個人的な感覚ですが、これがT-SQUAREだったらEbM7とかDbM7/Ebに進行するんだろうなあと思いました。渋いCASIOPEAかポップなT-SQUAREか、このあたりに違いがあるように思います。