きんけけ宅録楽部(楽屋)

趣味のギター&打ち込みの楽屋裏的解説。

Hello Goodbye/THE SQUARE

演奏動画

アルバム"打ち水にRainbow"のオープニングナンバー、「Hello Goodbye」のバッキングトラックです。動画はメインのエレキギターパートを除いたバッキングトラックになっています。

youtu.be

構成・コード進行・解説

Tempo=148.5 Key=C

Intro→A→B→A→B
Interlude→C→B→Ending

Intro/Interlude
 |C |F/C G/C |C                |F/C G/C |
 |C |F/C G/C |Ab/C Bb/C |

A
 |F6 |C    |G |Am7       |
 |G  |Am |G |G   F C/E |Dm |

B(最後のCは1回目のみ。リピート・D.S以降はなし)
 |C C/B |Am7 C/G |F Fm/Ab |
 |C C/B |Am7 C/G |F Fm/Ab |
 |Fm/Ab |Cm/G    |F#dim     |F |(C |)

C(Guitar Solo)
 |C/F     |Eb/F    |C/F               |Eb/F                  |
 |Bb/Eb |Db/Eb |Bb/Eb           |Db/Eb               |
 |C/F     |Eb/F    |C/F               |Eb/F                  |
 |G        |F/G     |GM7 Am7/G |GM7 /A /A# /B |
 
Ending
 |C |F/C G/C |C                |F/C  G/C |
 |C |F/C G/C |Ab/C Bb/C |Bb/C C    |

 

ビートルズのオリジナル版ではイントロ等はなくいきなりAメロから始まりますが(それが印象的だともいえる)、打ち水にRainbow版はスクエアオリジナルのノリノリな(死語ですね...)イントロから始まり、間奏やギターソロ用のセクションが含まれる構成になっています。ただし、ジャズ・フュージョン定番の「2コーラス目以降にアドリブソロが繰り広げられる」というパターンではなく、普通にメロディを2コーラス分演奏した後にアドリブでないギターソロパートが入り、もう一度にテーマを演奏しておしまいという、フュージョンとしては変則的、でも全体としてはシンプル、という構成になっています。

「ロックやポップスをフュージョン風にアレンジする」というと、16beatで裏拍キメキメ・コード進行もテンションコードや分数コードにリハモしまくり...というのがよくあるパターンだと思うのですが、本ナンバーではメロディは大胆にアレンジされているものの、コード進行はかなり原曲に忠実です。大きな違いは、コーラス(Bメロ)の最後にビートルズのオリジナル版にはない「Fm/Ab→Cm/G→F#dim→F(→C)」という、ルートが半音ずつ下降する進行が追加されているところです。この進行、全てのコードにCの音が含まれていて芸が細かいなぁと思っています。

ギターソロパートだけはフュージョンっぽい進行で、コードだけ見ると分数コードだらけですが、基本的なアイデアはM→7thを繰り返す流れです。たとえば冒頭のC/F→Eb/Fは

1)基本形はF→F7

2)FMaj9→Eb/F(Maj9はテンション追加、Eb/FはV7→IV/Vという定番の変形)

3)C/F→Eb/F(Maj9のルートとサードを省略)

というわけです。

 

この曲について

The時代も含め、T-SQUAREのアルバムでカバーソングってとても珍しいと思います(この曲以外になにかありましたっけ?)。なぜ唐突にカバーソングが入っているのか、このあたりの事情がよくわからないのですが(このアルバムのライナーノーツは『スクエア、いったいどうしたの!?』というくらいコミカルな内容で、楽曲の情報はほとんどないですもんね)、ビートルズのナンバーが選ばれたのは、安藤氏が元々ビートルズが好きだった、というところからなんでしょうね。

でも、単なる一過性の企画でやってみたという感じでもなく、割とライブでもよく演奏されていて、THE時代後期の定番曲だったという印象もあり、なんとも不思議なナンバーです。

そうそう、Twitterでもつぶやいたのですが、伊東さんはこの曲のアルバム収録バージョンでリリコンを吹いているんでしょうか?ライブで吹いているギターのハモリパートは、アルバム版ではギターの音に聴こえます。

打ち込みでは、ギターソロのバックのコーラスをAIきりたんとメロウに歌ってもらいました。これはこれでアリと思いますが、よくある洋楽の女性コーラスの音声があるといろいろ捗るんだけどなぁ、と思いました。ああいう女声コーラスの声質、需要は結構あると思うのですが、ソフトシンセでもあんまりない感じがします。