きんけけ宅録楽部(楽屋)

趣味のギター&打ち込みの楽屋裏的解説。

NEUTRINOの各シンガー、歌声比較(#2)

NEUTRINOの各シンガー比較

以前、竹内まりやさんの「元気を出して」の4人コーラス版を題材に、NEUTRINOの各シンガーの比較記事を作成しました。

kinnkeke.hatenablog.com

その後も順調にNEUTRINOの歌声ライブラリ(AIシンガー)は追加されており、記事執筆時点(2021/08/01)では8名のAIシンガーが利用可能となっています。そこで、最近作成した緑黄色社会さんの「Mela!」を題材に、比較動画を作成しました。


youtu.be

比較動画ではAメロ~サビの1コーラス分を順に歌ってもらっています。なお、バックコーラスの「ラララ、ラララ~」は全バージョンで「きりたん+めろう+ナクモ」が担当しています。

 

各歌唱データはデフォルト設定を用いて生成したもので、音声ファイル自体には加工は施していません。また、ナクモは男声ボーカルのモデリングということで原曲キーだとかなり辛そうだったので、原曲を長三度上に移調して(カラオケでいうところのキー+4ですね)ボーカルはオクターブ下で歌ってもらいました(音域的にはmid1E~hiAとなります)。

 

以下、各シンガーに対する感想です。

東北きりたん

NEUTRINOを代表するAIシンガー。比較的「かわいい」感じの声質。生成されたデータもかなり自然な歌声となっており、声質さえ気にいれば広いジャンルで使えるモデルと思います。前回も書きましたが、デフォルト設定の歌声は個人的には「かわいすぎる」ので、FormantShiftに0.90を指定した少し大人っぽい声質にしたものを気に入って多用しています。

東北イタコ

声質の方向としてはAIきりたんと似ているが、きりたんよりは元気があるイメージ。音域やメロディによってはきりたんよりも「おっ」と感じる歌声になることもあるのですが、全体的にはスタッカート気味な歌唱データになる傾向があり、きりたんよりは使いづらい印象があります。

東北ずん子

NEUTRINOのサイトでは「バラード、ポップソング向き」とあるのですが、かなり「かわいい」感じの声質で、きりたんやイタコよりも「アニソンやアイドルソング」向きと思います。逆に、アダルトな感じのバラードにはちょっと似合わないのでは...。

めろう

東北3姉妹の「かわいい」系とは違い、大人っぽい(お姉さんっぽい)声質になっています。「仮歌用途としても」使えると紹介されているのですが、仮歌にとどまらず、アコースティックな曲調のポップスにはかなりハマると思います。

セブン(No.7)

東北イタコよりさらにパワフルな女性ボーカル。これまでにない「ロック」な声質になっていていろいろ使いではありそうなのですが、個人的には少し鼻声なところと、ヒーカップ多めなところが気になります。

謡子/JSUT

謡子は合唱のサンプル歌唱でよく聴く歌声にそっくり。ポップスよりはピアノ伴奏+合唱系のハモリものにマッチすると思います。比較動画を聴いていただければわかると思うのですが、今回のような普通のポップスだとかなり違和感のある仕上がりになります。JSUTも声質の傾向としては謡子と同じ方向性ですが、謡子よりも合成音声感が強く出ていて、個人的にはすこし使いづらいという印象です。

ナクモ

まだα版での扱いですが、2021/4に追加されたNEUTRINOの男声シンガー第一号です。声質は最近のJ-POPの男性リードボーカルに多いキーが高めの「甘い」声ではなく、地声でナチュラルに歌うロック・ポップス系兄ちゃん、という印象です。第一号としては十分自然な仕上がりで、今後の男性シンガーのバリエーション追加に期待大です。